”今大会では会見(プレス)は一切しない”

”not going to do any press during Roland Garros. / 今大会では会見は一切しない”

この発言が日本だけでなく、世界中で話題になっている。

大会開幕を4日前に控えた、プロテニス選手の 大坂なおみ選手 が自身のTwitterで発言した。その内容は “記者の質問はアスリートのメンタルヘルス(精神の健康状態)を無視するものが多い。….(中略) 何度も同じ質問をされ、疑念を抱く質問を受けることも多い。敗戦後の会見場で泣き崩れる選手を映像で見てきた” というものだった。

そして文の最後には “会見か罰金か、と言う統括組織は選手の心の健康状態を無視している。(全仏で払うことになる)高額な罰金が心の健康維持の慈善活動に寄付されることを願う” とされていた。

このSNSでの投稿をめぐり、世界中で様々な議論が行われている。

同じくプロテニス選手で男子の世界ランキング1位の ノバク・ジョコビッチ選手 はこう発言している。“記者会見が不快なものであることはわかる。特に試合に負けた後の会見は、必ずしも楽しいものではない” と大阪選手の発言に理解を示しつつも、“会見に応じることも僕たちのスポーツの一部であり、ツアーでの生活の一部でもある。それは僕たちがやらなければいけないことなんだ” (https://news.yahoo.co.jp/articles/8253da079158b8794cf492688dfad0a55dce0600 より引用)

自身2度目の全豪オープン優勝時の大阪選手

テニスの四大大会では「選手はけがなどを除いて試合後の記者会見に出席しなければならない」とルールブックに明記されている。これに違反した選手には最大2万ドル(218万円)の罰金が科されることになっている。

私個人の意見を言うと ルールである以上、会見には参加しなくてはならない と考える。特にスポーツの場合はルールに則って行われることが最も重要視される。これは試合中はもちろんのこと、試合の外でもルールがあればそれに従うべきである。テニスの場合は試合後の記者会見が義務化されていて、試合後30分以内に行わなければいけないとされている。

こうした上でアスリート的な観点からこの問題を見ると非常に難しい問題である。試合後30分以内に記者会見を行うとされているが、試合後30分では自分の気持ちに整理がつかない。試合に勝利した時はいいかもしれないが、敗戦後となると悔しい気持ちなど様々な感情が溢れて、もしくは頭の中は真っ白で気持ちの整理などとてもじゃないができる状態ではない。「プロアスリートならそのくらい出来なきゃいけない。」と言う意見も多く見られるが、この意見も理解できる。だが、大きな大会になればなるほど、期待や不安など全てを背負って大会や試合に臨んでいる。精神的な負担は計り知れない。そういった中で敗戦後すぐに記者会見というのは酷な話だ言うことも、大阪選手の意見に反対派の人たちにも理解していただきたい。

Photo by cottonbro on Pexels.com

とは言え、この発言をSNSでしてしまったのには問題がある。こういった発言をsnsで世間に向けて発信することで、今回のような「問題」として取り扱われてしまうし、わがままなアスリートというレッテルが貼られてしまってもおかしくない。自身を守るという意味でもsnsでの発言は慎重になることが必要だろう。

これからの行動にも目が離せない。

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